日曜日, 6月 28, 2009

ニューロンモデルのメディアがもつ5つの特徴

DNAモデルからニューロンモデルへのメディア変遷からのつづき)

ひとつは、リアルタイム性が重要になると言うことだ。音楽のグルーヴ感と同じように、メディアとしてのグルーヴ感が求められており、2chは 1000でスレッドを打ち切ることによって、こうしたグルーヴ感を生み出したメディアだった。twitterやtumblrはそれを、タイムラインという 形で表現して見せた。

ふたつめは、閾値の重要性だ。ニューロンの発火が、閾値を超えた刺激が来たときに発生するように、各ブログは、記事に対して閾値を超える刺激を受けた場合に転送(ReblogやRetweet)を行う。この閾値の設定は、ブログによって異なっており、逆に言えば、閾値の違いこそが、そのブログの個性を決定づけている。閾値はセンスと呼び変えてもいいが、この閾値の設定に基づいて、ニューロン同士は繫がっていく。(閾値の異なるニューロン同士は繫がりにくい)

みっつめは、このニューロンのつながりと転送ルートの確立である。発火が伝わっていくことが重要であり、ここに転送技術時代のメディアの力がある。この意味で、多くのSNSはミスを犯している。転送のハードルが高いのである。tumblrがスゴイのは、この転送ルートに特化したメディア設計を行っている点である。

よっつめが、報酬系の存在である。ニューロンの発火に対して、適切な報酬系が用意されていると、発火ルートは自己組織化を図っていくことになる。この点でも、多くのブログサービスは過ちを犯していて、ニューロンの発火が炎上に繫がるような設計になっていたり、ネガティブコメントが累積する設計になっていたりする。tumblr礼賛の記事になってしまうが、tumblarityはひとつのヒントになるだろう。評価をフィードバックさせたり、情報を回帰させることによって、自己組織化を図っていくというのが、ニューロンモデルのメディアの重要なポイントである。

その自己組織化を促すための特徴が、レイヤー構造である。twitterにおいて、タイムラインでの情報の垂れ流しから、情報が組織化していくきっかけになったのが、ハッシュタグである。これにより、情報がレイヤー構造を持つようになった。

脳がなぜ瞬時の判断を下せるのかと言うことについて、ジェフ・ホーキンスは「考える脳 考えるコンピューター」で、レイヤー構造にあると看破した。取るに足らない「恵比寿なう」「いま起きた」的なつぶやきと、より深い意味を持つつぶやきとを同じレイヤーで処理している時点では、twitterというのは効率の良い(スピードの速い)メディアにはならない。似たような情報同士がクラスターとしてまとまっていくことによって、雑多な情報から意味のある情報を取り出せるようになる。

このレイヤー構造は情報のつながりだけではなく、ニューロンであるブログそのものにも現れてくる。tumblarityが高いブログ、低いブログの間に、自然とレイヤー構造が生まれてくる(蛇足だが、ヒエラルキー構造とは違う)。tumblarityの高いブログに取り上げられた情報は、それだけ「有意である」と認められることとなり、他のブログへと急速に伝播していく。

社会的には、インターネットとマスメディアの関係が、レイヤー構造になっている。雑多な情報があふれるインターネットという下位レイヤーの情報が、上位のマスメディアに取り上げられることによって伝播する。インターネットの世界では、このレイヤー構造が、ものすごく柔らかいかたちで、形作られ、変化し続けている。

こうしたニューロンモデルのメディアを認識している日本のブログサービスが少なくて、「残念!」みたいな?